Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.550 caratteri · 27 schermate
黙って聞いてりゃいい気になりゃがって飛んだのだごとをつきゃあがる」
六平は、へへん、と鼻で笑って、
「そう思うのが下郎根性。むこうは大々名のお姫さま、こっちはいかにも駕籠の虫だが、恋をへだてる堰はねえ。こんな杓子面でも恋しくてならねえと言われます。足駄をはいて首ったけ。俺のいうことならどんなことでもうんと首が縦に動くのさ。やい、やい、色男にあやかるようにこの面をよく拝んでおけ」
芳太郎は、ひらきなおって、
「おお、そうか。加代姫さまがそれほどお前に肩を入れているとは知らなかった。いや、どうも恐れ入った、見なおしたよ。……じゃ、なんだな、六平、お前の言うことなら加代姫さまはどんなことでもうんと言うというんだな、それにちがいねえんだろうな」
「冗く念をおすには及ばねえ」
「じゃア、さっそくだが、加代姫さまをここへ呼びだして、俺っちに一杯ずつ酌をしてもれえてえんだがお願いできましょうか」
六平は、大きくうなずいて、
「ひッ、そんなことはお安いご用。お茶づけサーラサラでえ。ちょっと一筆書いてやりゃア、間をあけずに舞いおりていらっしゃらア」
「おお、そうか、じゃア、ぜひそういう都合にお願い申そうじゃねえか。