Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.527 caratteri · 23 schermate

Aozora Bunko

……ところが、あくる日からすぐこっちの月番だ。……ひどく無造作に渡したが、さて、受取って考えて見ると、どうも妙な節々があるんです」

顎十郎は、気のなさそうな顔つきで、

「ほほう、妙というのは、どう妙?」

「まあ、お聞きなさいまし。いったい、堺屋では、主人の嘉兵衛と姉娘のおきぬと妹娘のおさよ、それに一番番頭の鶴吉、手代の忠助と忠助の弟の市造と、この六人が奥で飯を喰うしきたりになっているんでございます」

「なるほど」

「ちょうど二十九日の夜、晩飯がすんで半刻ばかりすると、いま言った三人だけが苦しみ出し、あっという間にこれがもういけない。……なんの不思議もないようだが、ねえ、阿古十郎さん、よッく考えてごらんなさい。一緒に膳についた妹娘のおさよと忠助と忠助の弟の市造だけは、けろりとして、しゃっくりひとつしねえんです」

「それが、どうだというんだ」

「なるほど、これだけじゃ、納得がゆかねえでしょうから、かんじんのところを掻いつまんで申しますと、死んだのは、三人とも忠助にとっては邪魔なやつばかりで、生きのこったのは忠助としては、どうあっても、生かしておいたはずの三人なんです。