Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.468 caratteri · 25 schermate
「それに、ちがい、ございません」
顎十郎は急にそっけのない顔つきになって、
「おい、清五郎、お前はなにか見当ちがいをしていやしないか。いまはこんな駕籠舁だが、ついこのあいだまでは北番所の帳面繰り。ひょんなことで阿波屋の六人を手にかけ、退っぴきならないことになりましたが、以前のよしみで、なんとかひとつお目こぼし、……なんてえ話なら聴くわけにはいかない。なるほど俺は酔狂だが、下手人の味方はしねえのだ」
清五郎は、額にビッショリと汗をかいて、
「まあ、待ってください。どのみち逃れぬところと観念しておりますが、こんなところで思いがけなくお目にかかったのをさいわい、せめて道すじだけでも聴いていただきたいと思いまして……」
顎十郎はマジマジと清五郎の顔を眺めてから、
「それで、いったいどんなぐあいに殺った」
「どんなふうに殺したとたずねられても困るんでございますが、しかし、直接手は下さなくともあっしが殺したも同然なんで……」
「口の中でブツブツ言っていないではっきり言ってみろ」
清五郎は、ほッとうなずいて、
「……ことの起りは守宮なんでございます」
「守宮……、守宮がどうしたというんだ」