Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.604 caratteri · 28 schermate
「……北番所の与力筆頭、ですか。……いつも、きまり文句ですな。まあ、そうご立腹なさるな、あまり怒ると腹形が悪くなりますぜ。……しかし、なんですな、こうして、真上からあなたのお頭を拝見すると、なかなか奇観ですよ、真鍮の燈明皿にとうすみが一本載っかっているようですぜ」
言いたい放題なことをぺらぺらまくし立てると、急にケロリとして、
「ときに、わざわざお運びになった御用件はなんです。……とても俺の手におえぬ事件が起きたから、どうか智慧を貸してくれと言われるんでしたら、切っても切れねえ叔父甥の間柄、いつでもお手助けいたしますよ」
庄兵衛は、膝を掻きむしって立腹し、
「この大馬鹿ものッ!……言わして置けば野放図もない。……こ、この俺が貴様などの智慧を借りるようで、天下の吟味方がつとまると思うか、不埓ものめ」
顎十郎は、のんびりと上から見おろしながら、
「ほほう、では、なにかほかに」
「今朝ほど、鎌倉河岸へ風変りな死体が浮き上ったというから、南組が出役せぬうちに、後学のために見せてやろうと思って、それで、こうしてわざわざ迎いに来てやったのだわ、有難く心得ろ。……これ、いつまでもそんなところに頬杖をついていずと、さっさと降りて来ぬか。