Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.674 caratteri · 36 schermate
……今さらながら青くなって取りあえずお側役人まで訴えてシオシオと屋敷へひきあげて来ましたが、殿さまはもってのほかのお怒り。すぐ伴をそろえて西の丸へお詫びにあがるという騒ぎ。……添役、氷見役は青菜に塩、どうでもこりゃ、お叱りはまぬかれない」
顎十郎は、のんびりと顔を振りあげ、
「しかし、それだと言って、盗っとの顔ぐらいは見たろうから、こりゃ、まあ、すぐ知れる」
寅吉は首をふって、
「……ところが、そうじゃねえんで。……顔なんざ、だれも見ちゃいねえ」
「ほほう、それは、また、なぜ」
「なぜにもなにも、袖をひきちぎって、すっかり顔をつつんでおりまして、菊石やら、ひょっとこやら、てんで知れない」
「ふむ、……でも服装ぐらいは見たろう」
「……ですから、見たかと言われりゃ、見たという。……古帷子をきて、二本さした浪人ふう……と、まあ、言うんですが、これも、チラと見かけたばかり。……あんまり、きっぱりしたことも言われねえ。……まったく、埓のねえ話で……」
「……それで、お雪盗びとはわからずじまい……」
「いや、そうじゃねえんで……。青……青……、名前は忘れましたが、なんとかいう浪人者が、南番所の藤波の手でつかまって、これがその、だいたい、そいつだろうということにきまりかけているんだそうで、へえ」