Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.783 caratteri · 22 schermate
これも血につながる近親なればこそ、ありがてえと思いなさい」
ひょろ松のほうを見かえり、
「おお、こりゃアごうせいにめかしているな。ちょうどいい、おまえもつきあえ、江戸一の御用ききが魚に釣られてる図なんざアよっぽど季題になるわ。今日はいやおうはいわせねえ」
なにか曰くがありそうである。
花世は、すぐ察して父のそばへにじりよると、
「ねえ、こんなところに獅子噛んでばかりいずと、ちと、魚にからかわれておいでなさいませ、あんがい、かわった魚も泳いでいるかもしれません」
さあさあとひき立てるようにする。
鉄炮洲
日並がいいので、対岸の佃の岸のあちこちに網が干してある。
海面いっぱいに夕陽が照りかえし、うっすらと朱を流す。
鉄炮洲の高洲には、この七八丁の間、渚一体に人影が群れ、あげおろす竿に夕陽があたって、きらきらと光る。
背高の、二尺ばかりの立込下駄を穿いて、よほど沖に杖をついて釣っているのもあれば、腰まで入って横曳釣をしているのもある。ちょうど上汐の時期で、どの手許もいそがしそう。
庄兵衛のほうは、昔はだいぶ凝ったおぼえのある老人だから、屋敷を出る時はうだうだいっていたが、いざ釣りはじめると面白いように喰いつく。