Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.248 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

……実ア、まだよく読んでいねえのだが、なにやら、ややこしいことがごしゃごしゃ書いてある。……大師流で手蹟はいいが、見てくればかりで品がねえ。筆蹟は人格を現すというが、いや、まったく、よく言ったもんだ、こればっかりは誤魔化せねえの。鵜の真似、烏……牡丹に唐獅子、竹に虎、お軽は二階でのべ鏡か……」

例によって、裾から火がついたように、わけのわからぬことをベラベラとまくし立てておいて、急にケロリとした顔をすると、

「それはそうと、ぜんてえどうしたというのだ、千賀春というあばずれのことは、部屋でよく聞いて知っているが、おれにゃア、藤波なんぞから悼みを言われるような差合はねえのだが……」

ひょろ松は、穴でもあったら入りたいという風に痩せた身体をちぢかめて、

「ちょっとお誘いすりゃアよかッたんですが、うっかりひとりでかたをつけたばっかりに、また大縮尻をやっちまいまして……」

「お前の縮尻は珍らしくはねえが、お前が縮尻をするたびに、藤波なんぞから手紙をぶッつけられるのは大きに迷惑だ。……これ見ろ、この手紙の終りに、白痴と言わんばかりの文句が書いてある。……この手紙は、おれの名あてだから、白痴というのは、おれのことか知らんて。