Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.327 caratteri · 43 schermate
……そとの一味のほうは、贋の千両箱を石船に積みこみ、よっぽど以前から稲荷河岸あたりに、もやって待たせてある。……金座で合図の凧さえあがれば、すぐ相手に通じるような手はずにしてあったのにちがいないというんです」
「その子供のあげた凧は、いったい、どんな凧だったんだ」
「金座の烏組といって、南うらの小田原町のとんび凧と喧嘩をするのを商売のようにしているんですから、金座の子供の凧といえばからす凧にきまっている。……ところで、その子供があげたのは、その朝にかぎって、六角の白地に赤の丹後縞を太く二本入れた剣凧だったんで……」
「丹後縞というのは、長崎凧によくある図がらだが、それは買った凧なのか」
「いえ、そうじゃないんで。……父親の左内が伜につくってやったものなんです」
「それで、その凧はどうした」
「れいの通り、小田原町のとんび凧が、ひっからんで持って行ってしまったんだそうで。……たぶん、その凧に、細かい手はずを書きつけた結び文でもつけてあって、それで持って行ったのだろうと、まあ藤波は、そう言うんです」
顎十郎は、ははん、と曖昧な声を出して、
「だいぶこじつけたな。……それで、子供はなんと言っているのだ」