Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.028 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

相手がきりだすまで、十年でも二十年でもゆっくり待つ気と見える。

客は、沈思逡巡、思いきり悪くしぶっていたが、いよいよ、のっぴきならなくなったのか、あらためて慇懃に一礼すると、

「今日、突然に推参いたしましたのは、実は折入ってお願い申しあげたい儀がございまして……」

顎十郎は、ほほう、と曖昧な音響を発してから、

「それは、いったい、どのようなことで……。と言ったって、別にお急かせ申すわけではありません。次第によっては、明日、明後日。……あるいは、ことしの大晦日の夕方まででもおつきあいいたしますが、なにしろ手前は奉行所の例繰方。古い判例をひっくり返すよりほか、いっこうに能のない男。おまけに剣術のほうはからっきしいけませんから、仇討ちの助太刀なんぞは、とてもつとまらない」

「いや、さような次第では……」

顎十郎は、ひとり合点して、

「おお、そうですか。すると、つまり、あなたにお娘御が大勢あって、どうにもやり場に困るから、こんな大べらぼうな奴だが、ひとりくれてやろうなんてえおつもりなのだと思いますが、なにしろ、ひとりの口だけでもかッつかッつ。頂戴しても食べさせることが出来ません。