Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9707 caratteri · 20 schermate
「お前に、まだ、そのわけがわからねえか」
「………」
「それは、鳴りをひそめているんじゃない、江戸にいないのだ」
「えッ」
「それだけの人数の悪者が、いったい、なんのためにみな江戸を離れていったのだろう。……なにか思いあたることがないか」
「どうも……」
「こないだ、大川の屋根舟で、間もなく途方もないことがもちあがるといったのは嘘じゃない。やはり、おれの見こみどおりだった。……みぜんにふせぐことが出来れば、それに越したことはないが、さもなければ、たいへんな幕府の損害になる……」
いよいよ、ささやくような声になって、
「お前も、多少は聞いているだろうが、こんど幕府が外国から買い入れた、例の咸臨丸、これは、和蘭陀のかんてるくというところで建造された軍艦で、木造蒸気内車、砲十二門、馬力百、二百十噸というすばらしいやつだ。それが、はるばる廻航されてきて、来月の中ごろ、長崎で受けとることになっている。この代価が十万弗。日本の金にして二十五万両。……この金が馬の背につまれて長崎までくだる。……どうだ、ひょろ松」
ひょろ松は、あッ、とのけぞって、
「それだッ……すると、江戸の悪者どもは……」