Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9707 caratteri · 20 schermate
まっ蒼になって、ブルブル慄えていたが、急に狂気したように、両手で顎十郎の腕を鷲づかみにすると、
「そ、それで……その金は?」
「きのう、江戸を出たはずだ」
「げッ、……それじゃア、もう間にあいませんか」
「なんともいえないが、やるだけやってみるより、しょうがあるまい。……ところで、ひょろ松、ちょっとむかいの料理屋へ行って、きょう三十人ばかりで楊弓結改の会をやりたいのだが、席があるかときいて来い」
ひょろ松は無我夢中のていで水茶屋から出ていったが、間もなくもどってきて、
「きょうは、一月寺の一節切の会があるので、夕方まで売切れになっているということでございます」
顎十郎はうなずいて、
「うむ、そうか、それでいいのだ」
ひょろ松は、席にもいたたまれぬように焦だって、
「それはそうと、阿古十郎さん、こんな水茶屋なんぞでのっそりしていていいのですか。……あっしはもう……」
立ちかかるのを、顎十郎は腕をとってひきとめ、
「まア、あわてるな。……すこし、落着いてむかいの料理屋の看板を見ろ。なんと書いてある」
ひょろ松は、葭簀のあいだから料理屋のほうをすかしながら、口のなかで、