Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9707 caratteri · 20 schermate
……本当の年は、いくつだ」
「三十四でございます」
「それなら、四十に近い」
「いえ、三十のほうに近い」
「ふふふ、小咄だの。……それはいいが、その年をさげて、こんな芸しかできないとは、お前もよっぽどばちあたりだ」
へたにとぼけた顔で、
「それは、なんのことでございます」
「ひょろ松、相手を見てものを言え」
顎十郎、長い顎のさきを撫でながらニヤニヤ笑って、
「おい、お見とおしだよ」
「………」
「お前、叔父貴に授けられて来たろう」
「なにをでございます」
「強情だの。……それそれ、へたにとぼけたお前の顔に、頼まれて来た、と書いてある。……おれの口から頼みます願いますでは、天下の与力筆頭の沽券にかかわる。……あの通り、口いやしいやつだから、酒でもたらふく飲ませ、喰いものをあてがって、うまく騙してなんとか智慧をかりてくれ。酔わせせえすりゃ、いい気になって、なんでもペラペラ喋るやつだ。……どうだ、ひょろ松」
「まったく、その通り……」
つい、うっかり口走って、へへへと髷節へ手をやり、
「てめえで言ってしまっちゃアしょうがねえ。いままで、なんのために苦労をしたんだかわかりゃアしない……こいつア、大しくじり」