Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.022 caratteri · 36 schermate

Aozora Bunko

半分這うようにして帳場まで行き、曳綱後押附の三枚駕籠を雇ってもらい、その中へ転がりこむと、レロレロと舌を縺らせながら、

「そ、う、か……そ、う、か……」

「おい、お客さまが、そうかそうか、とおっしゃっていられるぜ」

「なにがそうかなんですえ」

「そうか……そうか」

「草加までいらっしゃろうというんで」

「ああ、そ、そだ。……飛ばして……くれ。金は……いくらでも……や、る」

「おう、相棒、酒手はたんまりくださるとよ……早乗りだ」

「おう、合ッ点だ」

一人が綱を曳き、三人の肩代り。後棒へまた二人取りついて、

「アリャアリャ」

一団の黒雲になって飛ばして行く。

北千住から新井と、ひきつぎひきつぎ駈けて行くうちに、後棒につかまっているのが、頓狂な声で、

「……ねえ旦那、妙なことがありますぜ。……あっしらのあとへ、さっきから早駕籠がくっついて来るんです。……あれもやっぱりお仲間ですかい」

顎十郎は、えッと驚いて、

「そ、そんなことはない。……いってえ、その早駕籠は、どのへんからついて来た」

「古梅庵の角でこっちの駕籠があがると、それから、ずっとくっついて来ているんです」

「その駕籠に乗ったやつの顔は見えなかったか」