Classici giapponesi con furigana
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かぜのたより
風の便り
Leggi 風の便り (かぜのたより) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.044 caratteri · 66 schermate
おそろしく復讐心の強い男のようにさえ見えます。自分自身を悪い男だ、駄目な男だと言いながら、その位置を変える事には少しも努力せず、あわよくばその儘でいたい、けれどもその虫のよい考えがあまり目立っても具合いが悪いので、仮病の如くやたらに顔をしかめて苦痛の表情よろしく、行きづまった、ぎりぎりに困惑した等と呻いているだけの事で、内心どこかで、だけど俺は偉いんだ、俺の作品は残るのだと小声で囁いて赤い舌を出しているというのが、君の手紙の全体から受けた印象であります。君自身の肉体の疲労やら、精神の弛緩、情熱の喪失を、ひたすら時代のせいにして、君の怠惰を巧みに理窟附けて、人の同情を得ようとしている。行きづまった、けれどもその理由は、申し上げません等と、なんという思わせ振りな懦弱な言いかたをするのだろう。ひどい圧迫を受けているのだが、けれども忍んで、それは申し上げませんと殊勝な事を言っているようにも聞えますが、誰が一体、君をそんなに圧迫しているのですか。誰ですか? みんなが君を、大事にしているじゃありませんか。君は慾張りです。一本の筆と一帖の紙を与えられたら、作家はそこに王国を創る事が出来るではないか。