Classici giapponesi con furigana
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ふろくようのはなし
風呂供養の話
田中 貢太郎
Leggi 風呂供養の話 (ふろくようのはなし) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2200 caratteri · 5 schermate
そして、毎日のように朝早くから家を出て夕方になって帰って来た。時として千代がその伴をして往くことがあった。
ところで、いつの間にか勘右衛門の女房は、旅僧が数多の金を持っていることを知ったので、千代を利用してそれをまきあげようと思って、それを千代にいい含めたが、千代はてんで受けつけなかった。
一方、勘右衛門は旅僧の素性や、所業に不審を抱くようになった。と云うのは、僧でありながらろくにお経を知らないのみか、身分不相応な金を持っていることであった。勘右衛門はそうした不審を抱くとともに、そんな男に、千代を慰み物にせられては大変だと云う懸念で、頭の中が一ぱいになった。
その勘右衛門が某日、山をおりて村の居酒屋へ往ったところで、居酒屋へ来あわせていた知り合いから妙なことを聞かされた。それは、お前の家に逗留している旅僧は、お尋ねものであるまいか。何でも政治向のことで上方では騒動があって、謀叛を企てた一味の中には、殺人までしながら網をくぐって、西国へ逃げた者があるそうだ。もし、其の旅僧がそのうちの一人だとすると、早く警察へ突き出さなくてはならないと云うような事であった。