Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふううのばんのこぞうさん

風雨の晩の小僧さん

小川 未明

Leggi 風雨の晩の小僧さん (ふううのばんのこぞうさん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5030 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

信吉は、仕事場へ出て、平常のごとく働いていました。

「きょうの天気予報は当たった。あのいい天気が、急にこんなに変わったからな。」と、年上の職工は、仕事台の上へ前屈みになって、朋輩と話をしました。

このとき、主人は、ふいに思い出したように、

「このあいだいらしたお嬢さんの、オーバーシューズは今晩までのお約束でなかったかな。」と、仕事場を見まわして、いいました。

「そうです。私が、いま造っています。もうじきにできあがりますが。」と、茶色のセーターを着た職工が、電燈の下で手を働かせながら、答えました。

「お約束なのだ。できたらすぐにおとどけしてくれよ。」と、主人は、いっていました。

*   *   *   *   *

「お母さん、たいへんな雨ね。私、明日オーバーシューズがなくて困るわ。」

「きょうの晩までというお約束だったでしょう。だけど、この雨風では、できていてもとどけられないでしょう。」

「学校で、オーバーシューズがないと、おくつを脱いで、スリッパをはかないとしかられるのよ。」

「お天気になりしだい、私が催促にいってきますから、明日、もう一日だけ我慢をしてくださいね。