Classici giapponesi con furigana
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しょくま
食魔
岡本 かの子
Leggi 食魔 (しょくま) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.911 caratteri · 74 schermate
「いざとなれば死にさえすればいいのだ」鼈四郎は幼い時分から辛い場合、不如意な場合には逃れずさまよい込み、片息をついたこの無可有の世界の観念を、青年の頭脳で確と積極的に思想に纏め上げたつもりでいる。これを裏書するように檜垣の主人の死が目前に見本を示した。
檜垣の主人は一年ほどまえから左のうしろ頸に癌が出はじめた。始めは痛みもなかった。ちょっと悪性のものだから切らん方がよいという医師の意見と処法に従ってレントゲンなどかけていたが。癌は一時小さくなって、また前より脹れを増した。とうとう痛みが来るようになった。医者も隠し切れなくなったか肺臓癌がここに吹出したものだと宣告した。これを聞いても檜垣の主人は驚かなかった。「したいと思ったことでできなかったこともあるが、まあ人に較べたらずいぶんした方だろう」「この辺で節季の勘定を済すかな」笑いながらそういった。それから身の上の精算に取りかかった。店を人に譲り総ての貸借関係を果すと、少しばかり余裕の金が残った。「僕は賑かなところで死にたい」彼はそれをもって京極の裏店に引越した。美しい看護婦と、気に入りのモデルの娘を定まった死期までの間の常傭いにして、そこで彼は彼の自らいう「天才の死」