Classici giapponesi con furigana
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きょうおうふじん
饗応夫人
Leggi 饗応夫人 (きょうおうふじん) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6914 caratteri · 13 schermate
ですよ、もうこうなればね。自分でも生きているんだか死んでいるんだか、わかりやしない。」
客間に大あぐらをかいて、ご自分の事ばかり言っていらっしゃいます。
「お気の毒に。」
と奥さまは、おっしゃって、もう、はや、れいの逆上の饗応癖がはじまり、目つきをかえてお勝手へ小走りに走って来られて、
「ウメちゃん、すみません。」
と私にあやまって、それから鳥鍋の仕度とお酒の準備を言いつけ、それからまた身をひるがえして客間へ飛んで行き、と思うとすぐにまたお勝手へ駈け戻って来て火をおこすやら、お茶道具を出すやら、いかにまいどの事とは言いながら、その興奮と緊張とあわて加減は、いじらしいのを通りこして、にがにがしい感じさえするのでした。
笹島先生もまた図々しく、
「やあ、鳥鍋ですか、失礼ながら奥さん、僕は鳥鍋にはかならず、糸こんにゃくをいれる事にしているんだがね、おねがいします、ついでに焼豆腐があるとなお結構ですな。単に、ねぎだけでは心細い。」
などと大声で言い、奥さまはそれを皆まで聞かず、お勝手へころげ込むように走って来て、
「ウメちゃん、すみません。」
と、てれているような、泣いているような赤ん坊みたいな表情で私にたのむのでした。