Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうでん
香奠
豊島 与志雄
Leggi 香奠 (こうでん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.989 caratteri · 46 schermate
」
この大変倹約だとか、うっかり冗談も云えないとかいうことについては、まるで嘘のような話があるのです。前に申すのを忘れましたが、平田伍三郎が私の家に来た翌日の晩のことでした。その頃私は胃が悪くて昼食をぬきにしていましたので、晩にはいつもごく腹が空いていました。その晩もやはりそうでしたから、何杯たべたかしらと妻に聞きながら、「昼飯を食わないとひどく腹がすく、」というようなことを云いました。すると平田は喫驚したように、「昼飯をあがらないのですか、」と聞くのです。「ええ、会社の高い弁当代なんかとても払えないから、二度しか飯は食わないんです。三度の飯も食えないとはこのことですよ。」所が、笑いながら云ったその言葉を、彼は本当にとったものと見えます。翌日彼は妻に向ってこう云ったそうです。「先生もお気の毒ですね。会社の弁当が高かったら、パンでも持ってお出なさればよいのでしょうに。」――そのことが、私の家の笑い話の一つとなりました。
そういうことがあったものですから、牛蒡一本と里芋五合との件について、妻が前申したような風に解釈したのは無理もありません。然し私はそれを聞いて、彼の――平田伍三郎の――気持がはっきり分って、自分でも一寸変な心地になりました。