Classici giapponesi con furigana
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こうでん
香奠
豊島 与志雄
Leggi 香奠 (こうでん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.989 caratteri · 46 schermate
そして今日、何処からか広いトタン板を買って来て、自分で軒の庇のつぎ足しを初めてるじゃありませんか。私の窓から見えないようにするつもりらしいんです。空樽の上に踏台を重ねて、そのぐらぐらするやつに乗っかって、襯衣一枚で、一生懸命にかちんかちんやっています。頭の頂辺の禿げかかった所に日があたって、薄い毛の間からぴかぴか光っていて、その頭一面にもーっと湯気を立てて、しっきりなしに水洟をすすってるんです。屹度私から覗かれてるとでも思って、猶更いきりたったのでしょう。大きなトタン板をあちらこちらに持て余したり、つっかい棒をしたり、釘を打ったり、見ていると、滑稽を通りこして悲惨な気がしました。それでもどうやら庇のつぎ足しが出来上って、向うの室もその前の一寸した地面も、すっかり隠れてしまいました。」
彼はまた可笑しそうにくすくす笑い出しています。
私は一寸呆気にとられました。そんなことをぺらぺら饒舌る彼の気持が分りませんでした。そして余り彼の顔を見つめてたせいか、彼は一寸白けた顔付をして云いました。
「だって……先生だって、見れば屹度お笑いなさるに違いありません。