Classici giapponesi con furigana
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こうぎょのさん
香魚の讃
佐藤 垢石
Leggi 香魚の讃 (こうぎょのさん) di 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3041 caratteri · 7 schermate
一
緑樹のかげに榻(こしかけ)を寄せて、麥酒の満をひく時、卓上に香魚の塩焙があったなら涼風おのずから涎の舌に湧くを覚えるであろう。清泊の肉、舌に清爽を呼び、特有の高き匂いは味覚に陶酔を添えるものである。
今年は、鮎が釣れた。十数年振りで鮎の大群が全国の何れの川へも遡ってきたのである。青銀色の滑らかな肌を、鈎先から握った時、掌中で躍動する感触は、釣りした人でなければ知り得ない境地である。
六月一日の鮎漁解禁に、白泡を藍風に揚げる激湍の岩頭に立って竿を振る人々が、昨年よりも一層数を増したのも当然のことと思う。
だが、早瀬に囮鮎を駆使して、ほんとうに豪快な釣趣に接し、八、九寸四、五十匁の川鮎を魚籠に収めようとするのは、六月下旬から七月に入った嵐気、峡に漂う季節である。
まさに友釣りの快技に興をやる日が迫ってきた。これから中部日本を流れる代表的な峡流に点綴される釣り風景と、鮎の質とを簡単に紹介しよう。
二
鮎の多摩川が、東京上水道のために清冽な水を失った近年、関東地方で代表的な釣り場とされているのは相模川である。富士山麓の山中湖から源を発して三、四十里、相州の馬入村で太平洋へ注ぐまで、流れは奔馬のように峡谷を走っている。