Classici giapponesi con furigana
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えきふにっき
駅夫日記
白柳 秀湖
Leggi 駅夫日記 (えきふにっき) di 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.989 caratteri · 69 schermate
いつしか昔の悲しい、いたましい母子の生活の上に遷ったのである。
ぼんやりしていた私は室の入口のところに立つ人影に驚かされた、見上げるとそれは白地の浴衣に、黒い唐縮緬の兵児帯を締めた、大槻であった。
「君! 汽車は今日も遅れるだろうね」
「ええ十五分ぐらい……は」と私は答えた。山の手線はまだ世間一般によく知られていないので、客車はほとんど附属のような観があった、列車の遅刻はほとんど日常のこととなっていた。
日はもういつしか暮れて蜩の声もいつの間にか消えてしまった。
大槻はちょっと舌を鳴らしたが、改札の机から椅子を引き寄せて、鷹揚に腰を下した、出札の河合は上衣の袖を通しながら入って来たが、横眼で悪々しそうに大槻を睨まえながら、奥へ行ってしまった。
「今からどちらへいらっしゃるのですか」私は何と思ってか大槻に問うた。
「日比谷まで……今夜、音楽があるんだ」と言い放ったが、白い華奢な足を動かして蚊を追うている。
三
「君! 僕一つ君に面白いことを尋ねて見ようか」
「え……」
「軌道なしに走る汽車があるだろうか」
「そんな汽車が出来たのですか」
「日本にあるのさ」
「どこに」