Classici giapponesi con furigana
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えきふにっき
駅夫日記
白柳 秀湖
Leggi 駅夫日記 (えきふにっき) di 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.989 caratteri · 69 schermate
「マア大槻という奴は何といういけ好かない男だろう」私はこう思いながら、ぼんやりとして佇むと、千代子の大理石のように白い素顔、露のこぼれるような瞳、口もとに言いようのない一種の愛嬌をたたえて大槻に会釈した時のあでやかさ、その心象がありありと眼に映って私は恐ろしい底ひしられぬ嫉妬の谷に陥った。
「藤岡! 閉塞を忘れちゃあ困るよ、何をぼんやりとしているかね」
駅長のおだやかな声が聞えた。私があわてて振り向くと駅長はニッコリ笑っていた、私はもしやこの人に私のあさましい心の底を見抜かれたのではあるまいかと思うと、もうたまらなくなってコソコソと階壇を駆け上って、シグナルを上げた。
権之助坂のあたり、夕暮の煙が低くこめて、もしやと思ったその人の姿は影も見えない。
五
野にも、岡にも秋のけしきは満ち満ちて来た。
休暇の日の夕方、私は寂しさに堪えかねてそぞろに長峰の下宿を出たが足はいつの間にか権之助坂を下りていた。虎杖の花の白く咲いた、荷車の砂塵のはげしい多摩川道を静かにどこという目的もなく物思いながらたどるのである。
私は権之助という侠客の物語を想うた、いつか駅長の使いをしてやった時、駅長は遠慮する私を無理に引きとめて、南の縁で麦酒を飲みながら私にいろいろの話をしてくれた、目黒界隈はもと芝増上寺の寺領であったが、