Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうだいじ
高台寺
宮本 百合子
Leggi 高台寺 (こうだいじ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6503 caratteri · 14 schermate
ひろ子が笑い涙を溜めながら囃した。
「こんな嫁はんあらへん――親出や、親出や」
「階下へいて見せたろ」
「――一寸待って、何ぞ頭へ被らなあかへんわ、ええもんがある、ええもんがある」
その上に姉様かぶりを手拭でさせられた章子をしょびいて、どやどや部屋を出た。
「え――、里栄はんのお姉御、ゲン里はんでござい、よろしゅおたの申しますう」
「――何事どす?」
茶の間の襖を開けて顔を出すなりこの始末に女将は、
「へえ」
忽ち、反歯を飛ばしそうに笑い出してしまった。
「いじらしい目に会わはるもんどっせなあ、へ? ようかわいがったげるさかいな、精だしてお稼ぎや」
桃龍が、笑いもせずもう一遍、
「え――、里栄はんの姉妹御ゲン里はんでござい……」
章子は、獅々舞いが子供を嚇すように胸を拳でたたきたたき笑いこけている小婢の方へじりじりよって行った。
「怖わァ」
「阿呆かいな」
階段の中程へ腰をおろし、下の板敷の騒動をひろ子も始めは興にのり、笑い笑い瞰下していた。が、暫くそうやっているうち、ひろ子は、ひとを笑わせ自分も笑っている章子が可哀そうみたいな妙な心持になって来た。紅い帯を胸から巻き、派手な藤色に厚く白で菊を刺繍した半襟をこってり出したところ、章子の浅黒い上気せた顔立ちとぶつかって、醜怪な見ものであった。