Classici giapponesi con furigana
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こうだいじ
高台寺
宮本 百合子
Leggi 高台寺 (こうだいじ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6503 caratteri · 14 schermate
「――近くで見たら、その顔、まあ化物やな」
「いやらしおっしゃろほんまに、踊のある間、あてら顔滅茶苦茶やわ……痛い痛いわ、荒れて」
「……何や、それ」
「ワセリン」
「――ようとれるな」
章子と二人の話声をききながら、ひろ子は興味をもって、桃龍のいたずら描きを眺めていた。「桃龍はんの泣き面」「ゲンコツぁんと蕪はん」――「ゲンコツぁんと蕪はん」は彼等が並んで歩いている後姿を描いたのだが、滑稽な中によく特徴を捕えてあった。
「上手いな」
「……ええもん見せたげまひょか」
手提袋から、彼女は手帖を一つ出した。二寸に三寸位の緑色の手帖であった。或る頁には日記のようなものが書いてあり、或る頁にはいろいろの絵が細かく万年筆で描いてある。時事漫画に久夫でも描きそうな野球試合鳥瞰図があると思うと、西洋の女がい、男がい、それぞれに文句が附いているのであった。「晴れて嬉しい新世帯」都々逸のような見だしの下に、新夫婦が睦じそうにさし向いになっている。やがて口論の場面が来、最後には奇想天外的に一匹の猿が登場する。瘠せた猿がちょこなんと止り木にのっている。前に立って飽かれた妻が重そうな丸髷を傾け、