Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

とはいえども渠はさあらぬ体に答えたりき。白糸は渠の心を酌みておのれを嘲りぬ。

「あんまり異りすぎてるわね」

「見世物の三味線でも弾いているのかい」

「これでも太夫元さ。太夫だけになお悪いかもしれない」

馭者は軽侮の色をも露わさず、

「はあ、太夫! なんの太夫?」

「無官の太夫じゃない、水芸の太夫さ。あんまり聞いておくれでないよ、面目が悪いからさ」

馭者はますますまじめにて、

「水芸の太夫? ははあ、それじゃこのごろ評判の……」

かく言いつつ珍しげに女の面をきぬ。白糸はさっと赧む顔を背けつつ、

「ああもうたくさん、堪忍しておくれよ」

「滝の白糸というのはおまえさんか」

白糸は渠の語を手もて制しつ。

「もういいってばさ!」

「うん、なるほど!」と心の問うところに答え得たる風情にて、欣弥は頷けり。白糸はいよいよ羞じらいて、

「いやだよ、もう。何がなるほどなんだね」

「非常にいい女だと聞いていたが、なるほど……」

「もういいってばさ」

つと身を寄せて、白糸はやにわに欣弥を撞きたり。

「ええあぶねえ! いい女だからいいと言うのに、撞き飛ばすことはないじゃないか」

「人をばかにするからさ」