Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

みなこれ屈竟の大男、いずれも手拭いに面を覆みたるが五人ばかり、手に手に研ぎ澄ましたる出刃庖丁を提げて、白糸を追っ取り巻きぬ。

心剛なる女なれども、渠はさすがに驚きて佇めり。狼藉者の一個は濁声を潜めて、

「おう、姉さん、懐中のものを出しねえ」

「じたばたすると、これだよ、これだよ」

かく言いつつ他の一個はその庖丁を白糸の前に閃かせば、四挺の出刃もいっせいに晃きて、女の眼を脅かせり。

白糸はすでにその身は釜中の魚たることを覚悟せり。心はいささかも屈せざれども、力の及ぶべからざるをいかにせん。進みて敵すべからず、退きては遁るること難し。

渠はその平生においてかつ百金を吝しまざるなり。されども今夜懐にせる百金は、尋常一様の千万金に直するものにして、渠が半身の精血とも謂っつべきなり。渠は換えがたく吝しめり。今ここにこれを失わんか、渠はほとんど再びこれを獲るの道あらざるなり。されども渠はついに失わざるべからざるか、豪放豁達の女丈夫も途方に暮れたりき。

「何をぐずぐずしてやがるんで! サッサと出せ、出せ」

白糸は死守せんものと決心せり。渠の脣は黒くなりぬ。渠の声はいたく震いぬ。