Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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げかしつ

高野聖

泉 鏡花

Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

私の仕送りを頼みにしている身の上なのだから、お金が到かなかった日には、どんなに窮るだろう。はてなあ! 福井の金主のほうは、三百円のうち二百円前借りをしたのだから、まだ百円というものはあるのだ。貸すだろうか、貸すまい。貸さない、貸さない、とても貸さない! 二百円のときでもあんなに渋ったのだ。けれども、こういう事情だとすっかり打ち明けて、ひとつ泣き付いてみようかしらん。だめなことだ、あの老爺だもの。のべつに小癪に障ることばっかり陳べやがって、もうもうほんとに顔を見るのもいやなんだ。そのくせまた持ってるのだ! どうしたもんだろうなあ。ああ、窮った、窮った。やっぱり死ぬのか。死ぬのはいいが、それじゃどうも欣さんに義理が立たない。それが何より愁い! といって才覚のしようもなし。……」

陰々として鐘声の度るを聞けり。

「もう二時だ。はてなあ!」

白糸は思案に余って、歩むべき力も失せつ。われにもあらで身を靠せたるは、未央柳の長く垂れたる檜の板塀のもとなりき。

こはこれ、公園地内に六勝亭と呼べる席貸しにて、主翁は富裕の隠居なれば、けっこう数寄を尽くして、営業のかたわらその老いを楽しむところなり。