Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate
法の一貫目は情の一匁なるかな、渠はそのなつかしき検事代理のために喜びて自白せるなり。
「なに? 盗られたと申すか」
裁判長は軽く卓を拍ちて、きと白糸を視たり。
「はい、出刃打ちの連中でしょう、四、五人の男が手籠めにして、私の懐中の百円を奪りました」
「しかとさようか」
「相違ござりません」
これに次ぎて白糸はむぞうさにその重罪をも白状したりき。裁判長は直ちに訊問を中止して、即刻この日の公判を終われり。
検事代理村越欣弥は私情の眼を掩いてつぶさに白糸の罪状を取り調べ、大恩の上に大恩を累ねたる至大の恩人をば、殺人犯として起訴したりしなり。さるほどに予審終わり、公判開きて、裁判長は検事代理の請求は是なりとして、渠に死刑を宣告せり。
一生他人たるまじと契りたる村越欣弥は、ついに幽明を隔てて、永く恩人と相見るべからざるを憂いて、宣告の夕べ寓居の二階に自殺してけり。
(明治二十七年十一月一日―三十日「読売新聞」)