Classici giapponesi con furigana
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かみのけ
髪の毛
佐々木 邦
Leggi 髪の毛 (かみのけ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6242 caratteri · 13 schermate
私はあなたを操縦しているんですよって本人に思い知らさなければね」
と中川夫人は効果丈けでは満足しない。尤もそれで能事終れりと思っているようなら賢夫人である。
「けれども私、奥さんに済まないことがございますのよ。つい口が辷って、奥さんの御伝授ですって申してしまいましたの」
「あらまあ、厭な人ね!」
「でも私一人の智恵だとは決して思いませんわ」
「宜いわよ。中川はあれでナカ/\お饒舌ですから、私のことを種々と申上げているに相違ありません」
「私のことも井口が申上げるかも知れませんよ。男同志寄って群って女を悪ものにしてしまいますのね」
「奥さん、私そんなに悪ものになっていますの?」
「いゝえ、然うじゃございませんけれども……」
と文子さんは行き詰まった。
さて、中川君と井口君の勤めている会社にはいたずらものが多い。その中に牛耳を取っている秋月という独身者がある。この男は自分の立場を弁証する積りか、何彼につけて夫婦者を貶す。家庭を修羅場のように言う。夫婦生活は一人の男と一人の女の葛藤の外に何にもないように思っている。斯ういう見地から研究しているから、常に極端な結論に達する。