Classici giapponesi con furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Leggi 魔像 (まぞう) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 131.494 caratteri · 260 schermate
「殿様、あれを――」
長庵が指さした。下郎の一人が、手の提灯を高だかとさし上げる。
何だ――と、眼を遣った大迫玄蕃、しずかに読み出したのだが、途中から声が消えた。
「なに、お命頂戴、ただいま参――と。ふウム」動揺した顔がさッと長庵をふり返って、「これ、長庵、悪戯にもほどがあるぞ。仮りにも、命を貰うとは何だ。ヤイ、命を貰うとは何だッ」
「へッ?」顔突き出した長庵、「すると、何でございますか。手前がこの紙を張って置いて、人騒がせに喚き立てたとおっしゃるので――? 聞えません。殿様、そいつア聞えません。殿様方のお屋敷はお城も同然、お玄関と申せば大手先、何ぼ長庵めはしがない町医風情とは申せ、それだけの儀は心得ておりまする。その大手へ、事もあろうにお命が所望などと、何でその様な――」
長庵が、珍しく真気に反駁して、
「おやしきへ参って、この貼札を見、思わず声を揚げたのでございます」
只今参上……と、もう一度読み直した玄蕃、うむ! さてはおのれ!――気がついたのは、今の刀の件だ。これはこうしてはおられぬ。手慣れたる強刀、何はともあれ、綱を去って鯉口押し拡げておかねば――あたふた家の中へ引っ返しかけたが、万一の場合を思ったか、