Classici giapponesi con furigana
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まぞう
魔像
林 不忘
Leggi 魔像 (まぞう) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 131.494 caratteri · 260 schermate
駕籠屋の一人が口を入れた。
「テヘヘヘヘ、あっしアまだ独り者なんだ、だいぶこてえやす、へえ」
それには答えず、知らずのお絃が、
「ああ泣いちゃった……」
はいこんで、バラリ垂れを下ろすと、行くぜ! あい来た、で三梃、トットと神田へ帰って来た帯屋小路――よろず喧嘩買入申候の看板に、御神燈の灯が、ゆらゆらと照り映えている。
四
喧嘩渡世の家の壁に、長ながと貼り出してある一枚の巻紙、ズラリ十七人の番士の名が書いてある。その中の二つ、大迫玄蕃と浅香慶之助のところへ、いま二人を首にして帰って来た神尾喬之助が、墨くろぐろと抹殺線を引いて、下に、一番首二番首と書き入れを済まし、さて、このつぎの三番首は誰にしたものであろうか……まことに不気味な順番で、ひそかに候補にあげられる者こそ災難だが、喬之助が、端から名前を黙読しながら、アイツにしようかコイツにしようかと思案しているところへおもてに三梃の駕籠が止まって、その一つから園絵が下りた。
元日以来会わずに来た、恋し恋された若夫婦である。二人のおどろき、よろこび、その後の物語、昔の作者なら、ここんところは、読む者よろしく推量あるべし……とやるところだが僕も一つ、この手を用いよう。