Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

「どうするかとは?」

おうむ返しにいって、畳へ立てた刀を上げ、脂をしごいて鞘に納める。

「その床下に忍んだような侍がまだ一人や二人ではございませぬ。それでも今夜の船へお乗りなさいますか」

「もとより危険は覚悟、ただ当家へ累を及ぼそうかと、それがいささかの心がかり」

「乗りかかった船、その御懸念はいりませぬ」

「では、強っても」

「そのお覚悟ならば」

「浮くか沈むか弦之丞が運の岐れ目」

「ほんとに、危なッかしいとは思いますけれど……」

「申さば鳴門の狂瀾へ吾から運命を投げこんで、大望なるかならざるか、いちかばちかの瀬戸ぎわへまいったのじゃ。すべては天意――このつづらに任せるのほかはない」

刀を抱いて沈みこんだ。

「じゃ新吉、お前もヌカリはあるまいけれど、早く天神の船待場へ」

「お家様は?」

と、ふたをしめたが、新吉、妙に胸が波立ってやまなかった。

「私は数寄屋の客を案内して、わざと道を違えて行くから」

「承知しました。では何かのことは向うでまた……」

「しッ!……」

お久良はいきなり袂で蝋燭の灯を打った。

はッと――新吉はつづらに抱きついて、自分の動悸の音を聞いた。

そのとたんに。