Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

眼八は、

「あっ?」と、むねを衝ったが、その明りの一つに、海部代官所という朱文字を認めてホッとした。

――というよりはこの場合、助かったという気持で、死物ぐるいの厄介者を、何よりはその手へと、

「おう、御支配所の衆!」

声をかけると、熱い息がハッハッと聞こえるほど、すぐ側まで駈けてきて、

「や、眼八か」

と、意外らしく、かれを囲んだ。

桐井角兵衛のさしずで、少し遅れて出張ってきた徳島の町同心、浅間丈太郎、田宮善助、助同心岡村勘解由。

提灯を持っているほうは、海部同心の安井民右衛門と土岐鉄馬のふたり。

「どうしてここにおったか」

と、一同、不審な顔つきである。

実をいうと眼八は、大勘の家へ旅人として静かに泊り込んだまま、夜半に、外へ迫る捕手へ案内をする約束であった。

それが、無益だとみぬけたし、源次という者に執着をもったので、急に独断で方針をかえた。そして、これからその源次を代官所へ曳いて、断りに行こうと思っていた出鼻だったので、向うも、合点がゆかない様子である。

手短かに、源次から調べ上げた事実を話すと、五人の同心、少し出しぬかれて鼻白んだ様子に見えた。