Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
成れの果て
「あっ……」
土に目をふさいで、途中の岩角へ足を休ませた。――と知らずにお綱と弦之丞の体は、ズズズズ――と急激にかれの頭の上へ辷ってきた。
刹那。
断崖の上へ来た一閃刃、梢をしなわせている綱を切った。
成れの果て
同じ綱を頭の上から辷り降りてきた者があるので、万吉は、驚きとともに小松の枝をつかみ、綱を離して崖の途中に身をかわした。
とたんに。
目の前をふたりの虚無僧が、落ちるような勢いで辷って行った。
「あっ!」と、のぞき込んだ時に、綱は切れて空から磯へ落ちた。
「戻って来いよーッ」
しばらくすると、下で、大勘の呼ぶ声があわただしく聞こえる。その前に万吉は、足がかりを探していたが、いくら急いて呼ばれても、にわかに、おいそれとは降りられぬ。
「早く来い」
「おウ、今ゆく」
大勘はまだ何か狂ったように叫んでいる。そして万吉を早く早くと呼ぶのを止めない。
綱の切られたせつな、弦之丞もお綱ももう磯の砂辺に近かったので、さしたる怪我もうけなかった。
大勘のおどろき、奇遇のよろこび。
それを早く万吉に知らせてやりたいと呼び立てるのだった。
万吉はすッ飛んできた。
「おお……」