Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
の本分をも顧みて、ジッとその狼藉にこらえていた。
「おばさん――」
と今の乱暴を見て中二階から降りてきたお米は、お吉を慰めてやろうとする前に、足の踏み場もなく散らかっている小抽斗や反古などを片づけ始めた。
「お嬢さん、ほうっておいて下さいまし。後で私が始末いたしますから」
「いいよ。私も手伝ってあげるから、お前もその釵なんか拾って――気を持ちなおしたがいい。こんな物が散らばっていると、いつまでも腹が立っていてしようがありやしない」
「ああ、男がいないというものは」
「ほんとに、さびしい、辛いものだね。さだめし口惜しかったろうと思って、私も二階で、しみじみと察していたよ。だけど、ひょいと覗いてみると、あの三人の中には、私の知っている天堂一角という者や、お十夜孫兵衛という浪人がいたので、出るには出られず、どうなることかと、息を殺しているばかりだった」
「じゃ、あの侍たちを、お嬢様も知っておいでなさいましたか」
「森啓之助などと一緒に、よく川長へ来たことがあるのでね」
「見つからないで倖せでした」
「けれどお前……いったい万吉さんはどうしているの?」
「ああして阿波の侍が、居所を探し廻っている様子をみれば、どこかに、命だけは無事でいるのでござんしょう」