Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

可哀そうです、わっしの身になってごらんなせえ、笑いごッちゃありませんぜ」

まじめに釈明したのである。

宅助がきまじめで何かいうほど、初めのうちは、みんないっそうおかしがったが、その眼色、顔色がよく分ってくると、誰も笑わなくなってしまった。

「女といっても、わっしの情婦じゃございません、主人から預かってまいったお部屋様なんで――。どなたか、ご存じでしたら教えておくんなせえ、どうしても、そいつを取っ捕まえなくちゃ、国へも帰れませんし、第一わっしの無念がおさまりません」

と、宅助、茶店の中の者をいちいち白い眼で見廻した。

誰も返辞をする者がない……。

いったいこれは気狂いかしら、それとも本当に、ああまで一念になって、女を尋ねているのかしら? と誰もが心のうちで判断を下しかねている態だ。

「そう、そう。女といったって、ただ女だけじゃ人様にゃ分りますまい。その女というのは、この大阪にれっきとした店を張っている、ある料理屋の娘でして――へい、ですが、そこには帰りません、とにかくこの三郷の土地をうろうろしているに違えねえので、年は二十四、五だろうが、それよりはグッと若く見えて、癆咳病みですから、色はすきとおるほど白く、姿は柳腰というやつ。