Classici giapponesi con furigana
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まど
鷹野つぎ――人と文学
鷹野 つぎ
Leggi 鷹野つぎ――人と文学 (まど) di 鷹野 つぎ (たかのつぎ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.840 caratteri · 43 schermate
私自身の入院に至るまでの苦境、私の亡児の忍耐多かった短かい生涯、溯れば私の心の傷む思いもそれからそれへと際限がなかった。
心を傷めることの少ない病床は、同じ病床でも遙かに倖せであった。およそ肉体の病気に拍車をかけるものは、精神の苦痛にまさるものはなかった。とよ子の啜り泣きは、かの女の心への今が今の噛みくだかれた虐待に相違なく、私はこの危うさをまず救いたいのでいっぱいとなった。
「とよちゃん、もう泣くの止しましょう。心をきつく持って、何んでも用事は看護婦さんにお頼みなさいね。たべたい物などは、うちのおじさまにも云えば買ってきてくれますし」
こう急いで宥めると、とよ子は思いのほかきれいに涙を収めてくれた。
私たちの室とちがって、隣室のせいたか坊やのベッドのまわりには、いつも陽気な笑声があった。母一人子一人と語るその老いた母が、戸締りの自宅をあとにして、一人息子の附添いに通い、歩き廻ってるものを捕えて、皮膚の摩擦まで行ってやっていた。
息子は坊やと云われるのがいたく不足で、これでも拓殖大学生なんだぞ、病気をしないでみろ、今ごろはヒリッピンあたりで活躍しているんだぞと啖呵をきった。