Classici giapponesi con furigana
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まど
鷹野つぎ――人と文学
鷹野 つぎ
Leggi 鷹野つぎ――人と文学 (まど) di 鷹野 つぎ (たかのつぎ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.840 caratteri · 43 schermate
既に再度の通知をうけて来ているはずのかれが、一刻も早くそうしないのが腑に落ちなかった。
とよ子のベッドの方では、先刻とまるきり別人のような低い優しい次兄の声がしていた。
「ね、何か欲しいものはないの、次兄さんが直ぐ表へ出て買ってきてあげるよ」
「………」
「お云い、云ってごらん。え? なんでも遠慮なくお云い」
「下痢してお肚が痛むの」と、重いとよ子の声がやっと聴きとれた。
すると次兄の声はふいに先刻のように大きくなって、
「それなら下痢止めの高価い良い薬が、ちゃんと買ってやってあるではないか、何故あれを使わない」
「あれと同じ炭末なら、病院でも服んでいるの」
次兄の声は途切れた。とたんに急にかれが私のベッドの裾を、駈け過ぎて行く姿が見え、扉のそとへ消えて行った。
あれが帰って行く時の姿とは、さすがに私にも信じられなかった。とよ子のベッドが、じっと静まっていると、私まで再び待ち設けるものがあるように、深い沈黙におちてしまった。
果して二十分もするとかれがあたふたと戻ってきた。いきなり妹の方へは行かずに私のベッドに近づき、手に一つの小箱を掲げて見せた。
「驚ろきましたねえ、薬の高価くなったにも。