Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
けれども熊城君。僕はなにも職業的な観賞家じゃないのだからね、猟館や瘤々した自然橋などを持ち出してまで、君達に瞑想を促そうとする魂胆はない。そういう水精を男性に変えてしまう段になると、真先に変化の起らねばならぬものが、そもそも何であるか――それを問いたいのだよ」
と法水の顔に微かな紅潮が泛び上って、五芒星の不備を指摘する、メフィストの科白(その円に一個所誤謬があったためにその間隙を狙い、メフィストがファウストの鎖呪を破って侵入したのである)を口にした。「――とくと見給え。あの印呪は完全に引いてないよ。外側に向いている角が、見るとおりに少し開いている」
「ああなるほど、毛髪と鍵の角度に水! これは、博学なる先生に御挨拶申し上げます。すこぶる汗をかかされたものですわい」
と同じく洒落た口調で、検事もメフィストの科白で相槌を打ったけれども、それには、犯人と法水と、両様の意味で圧倒されてしまった。……あの夜ダンネベルグ夫人が死体となった室の扉には、鍵孔に注ぎ込んだ水の湿度によって毛髪が伸縮し、自働的に開閉されるデイ博士の隠顕扉装置が秘められてあった。ところが、それに必要な水と毛髪とが、カルデア古呪文の中に隠されていたのは未だしもの事で、より以上の驚きと云うのは、ほかにあったのだ。