Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
そして、この室の窓に、おどろと漂い寄って来たものがあったのだ。いいかね支倉君、それがこの事件の悪魔学なんだぜ。病的な、しかもこれほど公式的な符号が、事実偶然にそろうものだろうか」
その一事は、かつて検事が、疑問一覧表の中に加えたほどで、磅と本体を隔てている捕捉し難い霧のようなものだった。しかし、こう法水から明らさまに指摘されてしまうと、この事件の犯罪現象よりも、その中に陰々とした姿で浮動している瘴気のようなものの方に、より以上慄然とくるものを覚えるのだった。が、その時扉が開いて、私服に護衛されたセレナ夫人とレヴェズ氏が入って来た。ところが、入りしなに三人の沈鬱な様子を一瞥したとみえて、あの見たところ温和そうなセレナ夫人が、碌々に挨拶も返さず、石卓の上に荒々しい片手突きをして云った。
「ああ、相も変らず高雅な団欒でございますことね。法水さん、貴方はあの兇悪な人形使いを――津多子さんをお調べになりまして」
「なに、押鐘津多子を※(感嘆符疑問符、1-8-78)」それには、法水もさすがに驚かされたらしかった。「すると、貴方がたを殺すとでも云いましたかな。いや、事実あの方には、とうてい打ち壊すことの出来ない障壁があるのです」