Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
それに棺のも、地上の棺龕の蓋も、内部から容易に開くことが出来るのですから」
「なるほど、そうしてみると」と法水は唾を嚥んで、ちょっと気色ばんだような訊き方をした。「その事実を知っているのは、いったい誰と誰ですか。つまり、算哲の心臓の位置と、その早期埋葬防止装置の所在を知っているのは?」
「それなら確実に、私と押鐘先生だけだと申し上げることが出来ますわ。ですから、伸子さんが仰言った――ハートの王様云々のことは、きっと偶然の暗合にすぎまいと思われるのです」
そう云い終ると、にわかに鎮子は、まるで算哲の報復を懼れるような恐怖の色を泛べた。そして、来た時とはまた、うって変った態度で、熊城に身辺の警護を要求してから、室を出て行った。大雨の夜――それは、墓※から彷徨い出たあらゆる痕跡を消してしまうであろう。そして、もし算哲が生存しているならば、事件を迷濛とさせている、不可思議転倒の全部を、そのまま現実実証の世界に移すことが出来るのだ。熊城は昂奮したように、粗暴な叫び声を立てた。
「何でも、やれることは全部やって見るんだ。サア法水君、令状があろうとなかろうと、今度は算哲の墓※を発掘するんだ」