Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
「うん、虹の両脚の所には、黄金の壺があると云うがね。恐らく、あの虹だけは捉えることが出来るだろう。何故なら熊城君、だいたい虹には、視半径約四十二度の所で、まず赤色が現われる。勿論その位置というのが、ちょうど火術弩の落ちていた場所に相当するのだ。また、その赤色をクリヴォフ夫人の赤毛に対称するとなると、いかにも標準を狂わせるような、強烈な眩耀が想像されてくる。けれども、近距離で見る虹は二つに割れていて、しかも、その色は白ちゃけて弱々しい」と法水はいったん口を閉じたが、みるみる得意気な薄笑が泛んできて云った。「ところが熊城君、押鐘津多子だけには、けっしてそうではないのだよ。何故かと云うのに、片眼で見る虹は一つしかないからだ。それに、明暗の度が強いために色彩が鮮烈で側にある同色のものとの判別が、全然つかなくなってしまうのだよ。ああ、あの渡り鳥――それは、まずレヴェズの恋文となって、窓から飛び込んできた。そして、それが偶然クリヴォフ夫人の赤毛の頸を包んで、さてそれによって標的を射損ずるような欠陥のあるものと云えば、津多子をさておいて、他にはないのだよ」
「なるほど。