Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
「あるいは、そうかもしれんがね」と法水は莨で函の蓋を叩きながら、妙に含むところのあるような、それでいて、検事の説を真底から肯定するようにも思われる――異様な頷き方をしたが、「そうすると、さしずめ君には、ピデリットの『擬容と相貌学』でも読んでもらうことだね。この悲痛な表情は落ちると云って、とうてい自殺者以外には求められないものなんだよ」そう云ってから垂幕を強く引くと、頭上に鉄棒の唸りが起った。「ねえ支倉君、ああして聴えてくる響が、この結節を曲者に見せたのだったよ。何故なら、レヴェズの重量が突然加わったので、鉄棒に弾みがついてしないはじめたのだ。すると、その反動で、懸吊されている身体が、独楽みたいに廻りはじめるだろう。勿論それによって、革紐がクルクル撚れてゆく。そして、それが極限に達すると、今度は逆戻りしながら解けてゆくのだ。つまり、その廻転が十数回となく繰り返されるので、自然撚り目の最極の所に結節が出来、それがレヴェズの頸筋を、強く圧迫したからなんだよ」
そうして、事象としては完全な説明がついたものの、なんとなく法水には、それが独り占いのように思えてならなかった。