Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
ところが、その際算哲様は、すこぶる陰険な策動をなさったのでございます。と申しますのは、クリヴォフ様についてでございますが、あの方が日本に到着すると間もなく、剖見の発表が取り違えられていたという通知がまいりました。そこで、算哲様は一計を案じて、四人の名を『グスタフス・アドルフス伝』の中から採ったのでございます。つまり、その頭蓋による遺伝素質のないクリヴォフ様には、暗殺者の名を。他の三人には、暗殺者ブラーエの手に狙撃された、ワレンシュタイン軍の戦没者の名を附けたのでした。そして、この書庫の中から、グスタフス王の正伝をことごとく省いてしまって、それに『リシュリュウ機密閣史』を当てたのでしたけれども、恐らくその人名は、家族の者にも、また貴方がた捜査官にも、なんらかの使嗾を起さずにいまいと考えられておりました。ですから法水さん、これで、いつぞや貴方に申し上げた、霊性という言葉の意味が――つまり、父から子に、人間の種子が必ず一度は彷徨わねばならぬ、あの荒野の意味がお判りでございましょう。そうして、今日クリヴォフ様が斃されたのですから、そうなると、当然算哲様の影が、あの疑心暗鬼の中から消えてしまうではございませんか。