Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
法水は眉のあたりをビリビリ動かしながら、
「では、古代時計室と拱廊を調べたかね」
「ところが、彼処は」と私服は頸を振って、「昨夜の八時に、執事が鍵を下したままなんですから。しかし、その鍵は紛失しておりません。それから拱廊では、円廊の方の扉が、左側一枚開いているだけのことでした」
「フムそうか」といったん法水は頷いたが、「ではもう打ち切ってもらおう。けっしてこの建物から外へは出てやしないのだから」と異様に矛盾した、二様の観察をしているかのような、口吻を洩らすと、熊城は驚いて、
「冗談じゃない。君はこの事件にけばけばしい装幀をしたいんだろうが、なんといっても、易介の口以外に解答があるもんか」と今にも館外からもたらせられるらしい、侏儒の傴僂の発見を期待するのだった。こうして、ついに易介の失踪は、熊城の思う壺どおりに確定されてしまったが、続いて法水は、問題の硝子の破片があるという附近の調査と、さらに次の喚問者として、執事の田郷真斎を呼ぶように命じた。
「法水君、君はまた拱廊へ行ったのかね」私服が去ると、熊城はなかば揶揄気味に訊ねた。
「いや、この事件の幾何学量を確かめたんだよ。