Classici giapponesi con furigana
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くろねことみ
黒猫十三
大倉 燁子
Leggi 黒猫十三 (くろねことみ) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.366 caratteri · 29 schermate
「だって君、泥棒に入られるなんて、景気がいいじゃないか」
本庄は苦笑して答えなかった。
「よく注意して調べて見給え。きっと、何か盗まれてるぞ。帰りがけに俺が交番に寄って、話しといてやろう。一応訴え出ておいた方がいいぜ」
彼は慌ててそれを制止した。
「大丈夫だ。盗まれるようなものは何もありゃしないんだから、放っといてくれ。面倒だから、――だがな、こうめちゃめちゃに掻き廻されちゃ、後片附が大変だなあ」
「引越しだと思いやいいやな。ところで、――と、もう俺の用事はなくなったって訳だね。じゃ、帰るよ」
大きな欠伸をしながら、友人が立ち去るのを見送ってから、本庄はもう一度戸棚の中へ首を突込んで見た。ベッドの下をも覗いて見た。もし仮りにだ、自然に意識を取り戻し、この意外な場所に彼女が、彼女自身を発見したら、必ず逃げようとするに違いない、が、あの重体では歩けまいから、この室のどこかに隠れているのではあるまいかと思ったのだが。――
「してみると、やはり、浚われたのかなあ」
彼は失望した。そうして理もなくむしゃくしゃと腹が立って、運転手に渡した五円紙幣までが忌々しくなった。