Classici giapponesi con furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Leggi 黒百合 (くろゆり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.148 caratteri · 154 schermate
もっともことのついでに貴方のお噂がござりませんと、三年越お便は遊ばさず、どこに隠れてお在なさりますか、分りませんのでござりました。目がお見えなさらないというだけは不吉じゃあござりましたが、東京の方だというし、お年の比なり御様子なり、てっきり貴方に違いないと、直ぐこちらへ飛んで参り、向うのあの荒物屋で聞いてお尋ね申しました。小主公、何は措きまして御機嫌宜しく。」
「慶造、何につけても、お前達にもう逢いたくはなかったよ。」
と若山は花屋の奥に端近く端座して、憂苦に窶れ、愁然として肩身が狭い。慶造と呼ばれたのは、三十五六の屈竟な漢、火水に錬え上げた鉄造の体格で、見るからに頼もしいのが、沓脱の上へ脱いだ笠を仰向けにして、両掛の旅荷物、小造なのを縁に載せて、慇懃に斉眉く風あり。拓の打侘びたる言を聞いて、憂慮わしげにその顔を見上げたが、勇気は己が面に溢れつつ、
「御心中お察し申しますが、人間は四百四病の器、病疾には誰だって勝たれませぬ、そんなに気を落しなさいますな。小主公、良いお音信がござりますぜ、大旦那様もちょうどこの春、三月が満期で無事に御出獄でござりました。