Classici giapponesi con furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Leggi 鼻の表現 (はなのひょうげん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.303 caratteri · 141 schermate
もっと大きな世間的の行事又は社会的の運動――そんなものにも現われて、その如何に偉大深刻なものであるかを切実に証明しているのであります。
「資本家を倒すのは人類のためだ」
と揚言しながら「実はおれ自身のためだ」というさもしい欲求――
「労働運動は多数を恃む卑怯者の群れだ」
と罵倒しながら「おれの儲け処が貴様達にわかるものか」という陋劣な本心――
「多数党如何に横暴なりとも正義が許さぬぞ」
という物欲しさ――
「本大臣は充分責任を負うております」
という不誠意――
どれもこれもその云う口の下からの鼻の表現に依って値打ちは付けられて、天下の軽侮嘲弄を買い、同時にその成功不成功を未然に判断させているのであります。
鼻の表現は随分遠方からでも見えるらしいのであります。
議会壇上に立って満場の選良に対して、
「本大臣は本日ここに諸君に見ゆる光栄を有する事を喜ぶ」
とか何とか音吐朗々とやっております。然るに内心では、
「ヤレヤレ又馬の糞議員共が寄り集まった。此奴等と見え透いた議論をしなければ日が暮らされぬのか。要するに余計な手数なんだが、馬鹿馬鹿しい」
という考えでおりますと、不思議に議場の隅に生あくびを噛み殺す奴が出て来るのであります。