Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あすなろう

あすなろう

山本 周五郎

Leggi あすなろう di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.925 caratteri · 41 schermate

Aozora Bunko

んだ」

政は口をあいたが、すぐには声が出ないようすで、あいた口を閉じ、唾をのみこみながら、強く頭を左右に振った。

「なんにも、関係なんかありません」とようやく政は答えた、「ただ、さそわれたからいっしょに飲んだまでです」

「おめえはうすっきたねえ悪党だ、悪党の中でもいちばんうすっきたねえどぶ鼠だ」と岡っ引は云い、小女の持って来た湯呑の水を飲んで、とんと、湯呑を飯台の上へ置いた、「――てめえみてえな野郎に騙される女も女だが、五躰揃ったいちにんめえの男が、弱い女を食いものにして、女に泣きをみせて生きてゆくたあ、聞くだけでも肝が煮えるぜ」

政は黙って低く頭を垂れた。他の客たちはまた静かになり、眼を見交したり、囁きあったりしていた。

「御定法ではてめえを引っ括るわけにゃあいかねえ、それが残念だ」と岡っ引は続けた、「本来なら押込み強盗より罪が重いんだ、おらあできることならてめえを八つ裂きか、鋸引きにでもして殺してやりてえくれえだ、いつかおれの手で、きっとそうしてやりてえと思ってるんだぞ、政、聞いてるのか」

「へえ、ええ」政は吃驚したように顔をあげ、いそいで、何遍も頷いた、「聞いてます、ええ、ちゃんとこうして、うかがっています」